ランニング用GPSウォッチ、ForeAthlete(フォアアスリート)シリーズの上級モデルとして「ForeAthlete630J」が登場した。自然なフィーリングで操作できるタッチパネルスクリーンが特徴。ランニング用とされているが、ウォーキングやサイクリングにも活用できる応用範囲の広いアイテムだ。
◆トップアスリートも採用する胸ベルトで心拍数を計測
単体とハートレートセンサーHRM-Runとのセット品が用意されているので、心拍計を使った効率的なトレーニングをしたいならセットを購入した方がお得。ForeAthleteシリーズには手首に装着するだけで心拍数が測れる光学式心拍計付きモデル、ForeAthlete235Jもラインナップされていて、体脂肪を燃焼させる効率的フィットネスをしたいならこれがオススメ。それに対してForeAthlete630Jは胸にベルトを巻いてセンサーを装着するタイプで、心拍トレーニングをこなして有酸素系スポーツで強くなりたいアスリート向けだ。
それは胸にベルトを巻いて計測するタイプのほうが正確なデータが測定できる傾向にあるからだ。その一方で締め付け感や違和感があり、汗がその部分にたまってしまうのも気になる。もちろん手首計測タイプも進化を続け、現行モデルは胸ベルトタイプとそん色のない数値が計測できるのだが、国立スポーツ科学センターなどで強化トレーニングするトップアスリートは依然として胸ベルトを採用していることを考えると信頼性は胸ベルトか。いずれにしても、どちらを選択するかはユーザー次第だ。
新機能として追加されたアドバンスドランニングダイナミクスは、左右の足の接地バランス、上下動比、歩幅がチェックできる。スマホのGarmin ConnectアプリやパソコンのGarmin Connectサイトに収集したデータを同期させると、コース地図の下に標高、時速(ペース)、歩幅、1分間のピッチ、上下動比、設置時間がグラフ化される。ハートレートセンサーHRM-Runを装備していれば心拍数もリンクする。
◆宝の持ち腐れ?使いこなすには専門知識が必要
ただしこれらを漠然とながめていても意味がなく、専門知識を持ったランニングコーチが実際の走りの特徴を把握しつつ、各選手の傾向を分析してこそ役立つはずだ。そういった意味では学生や実業団の陸上長距離選手向けのハイレベルなアイテムとなる。近年はこういったガジェットを利用してパーソナルトレーニングする専門家もいるはず。個人的に指導を受ける機会があれば、データの読み方やレベルアップの道筋を理解することで、搭載された機能を活用できる。
一般的なジョギング愛好家の活用方法の1つとしては、定番のランニングコースをGPSで記録してタイム計測して練習成果をはかることだ。Garmin Connectサイトでコースを作成することもできるので、それをGPSウォッチに送り込んで記録計測することは意外と簡単。たとえばランニング大会のコースを事前にサイト地図に入力し、それをGPSウォッチに送っておけば目標時間に対してどれだけの差か、ゴールまでどれくらいかなどが表示される。つまりパーソナルなペースメーカーになってくれるのである。現地を訪れて試走しながらGPSでコース取得する必要もないのである。
そしてランニング用GPSウォッチといいながらもサイクリングに活用できる点に注目。日本全国どこでも、コースを作成してGPSウォッチに転送しておけば、一度も登ったことがない峠道を攻略できるんじゃないか?インプレ後編はそれを実際にやってみた。
《山口和幸@レスポンス》
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